PAM8403を搭載したブルートゥース対応アンプモジュールXH-A158を使って持ち運びのできる充電式のスピーカーを自作しました。ユニットには2インチ(約50mm)のユニットを使用しました。
使用部材

今回使用する主な部材です。
エンクロージャーはメルクシパイン集成材を加工して作りました。
この他にアクリル板や接続用のリード線、半田ごて、グルーガン、ドライバー等が必要になります。

XH-A158
PAM8403をチップに使用して5V入力で公表値5W×2の出力でブルートゥース対応のモジュールです。
接続コード、ボリューム付きでスピーカーと電源を接続すれば簡単に音出しが可能です。

リチウムイオン電池充電モジュール
TP4056を搭載したリチウムイオン電池充電モジュールです。最大電流が1Aなので急速充電はできませんが市場に出回っているポピュラーな商品です。
1800mAのリチウムイオン電池の充電には4時間ほど必要になります。

スピーカーユニット
今回はTEMUから購入したデュアルマグネットの2インチ(52mm)のスピーカーユニットを2本使用しました。
4Ω10Wです。

Type-C メス 2Pin USB コネクタ
リチウムイオン電池を充電するための電源入力に使用します。

電源スイッチ
オンオフスイッチです。LED付きのものを選びました。もちろんLEDなしでもOKです。

アクリル板
今回はアンプモジュールのLED(電源の赤いLED、ブルートゥース接続の青いLED)が確認できるように取付部は透明なアクリル板を使用しました。

バスレフダクト
バスレフダクトにはクレラップの芯を使用しました。内径24mm、外径30mmです。11cmにカットして使用しました。内部に黒のスプレーで塗装するとちょっとカッコよくなります。
エンクロージャーを作る

今回はメルクシパイン集成材を使用しました。加工しやすく塗装すると仕上がりがきれいなのでティッシュボックス等手作り品に向く材料です。
4200×500×25(mm)の板を割って自動カンナに通して62mm、厚さ10mmに仕上げました。
底板(5.5mm)分を切り欠き加工しました。

正面部の加工(その1)
スピーカーユニット×2、スイッチ、USBコネクタ、バスレフダクト、アンプモジュール取付部にしるしをつけて穴あけします。
仕上がりより5mmほど小さめに穴あけしておきます。

正面部の加工(その2)
あらかじめ正確な寸法の型板(4mm、5.5mm等)を準備しておきます。
穴あけ場所に設置してガイド付きストレートビットで加工します。型板と加工板には両面テープ(少しでよい)とはたがねでしっかりと固定して行うようにします。

正面部の加工(その3)
加工板の上部に型板があって型板をベアリングガイドがなぞって型板通りに加工できます。時計回りになぞっていきます。
しっかりと力を入れて行うようにしてください。

正面部の加工(その4)
穴あけが終わったら必要に応じて面取り等を行います。
今回はスピーカーユニットを内側に入れるのでスピーカー開口部、バスレスダクト部、アンプモジュール部を面取り(1分のボーズ面)を行いました。

正面部の加工(その5)
バスレフダクト部は内径で穴あけして内部を外径で板厚の半分ほど穴あけすると見た目もよくなります。

長さをカットする
本体の大きさでカットします。
スライド丸鋸を利用して45度にカットしました。
4隅に取り付ける補強木も準備しておきます。

組立(その1)
カットした部材を接着します。この時に補強木も4隅に取り付けます。

組立(その2)
接着剤が乾燥したら天板を接着します。
今回は4隅の角を1分のボーズ面で面取りしてから天板を接着しました。

組立(その3)
接着剤が乾燥したらペーパーにて仕上げます。
今回は天板を2分のボーズ面で面取りして仕上げました。
ペーパー仕上で仕上がりが決まるので丁寧に行いましょう。

塗装
塗装を行って仕上げます。
今回は着色なしでクリアー仕上げにしました。
サンディングシーラーを吹き付けてペーパー仕上をします。(2回ほど行うとよい)
乾燥後、ペーパー仕上をしてクリアーを吹き付けて仕上げます。(クリアーも2回ほど吹き付けます。)
組立、配線

スピーカーユニットの準備
2インチのスピーカーユニットにXH-A158に付属のコネクター付きリード線をはんだ付けしておきます。
プラス・マイナスを間違わないようにしましょう。

スピーカーユニットの取付
エンクロージャーにスピーカーユニットを取り付けます。(Φ3×8mmを使用しました。)下穴をあけてから止まると止めやすく、割れ防止になります。
今回のユニットはビス止めが可能でしたがビス止めが出来ないユニットもあるのでその場合は接着剤で固定することになります。(グルーガンや瞬間接着剤はショックに弱いのでショックに強い接着剤がおすすめです。)

各部材の配線
今回は18650リチウムイオン電池を使用するので充電モジュールにあらかじめ配線しておくとよいでしょう。
アクリル板、オンオフスイッチ、USB端子は取付後、グルーガンで固定しました。(アクリル板にはあらかじめボリューム部の穴Φ7mmを開けておきます。)

各部材の取付
動作確認を行います。
動作確認が終わったら各部材を取り付けます。

吸音材、裏板の取付
吸音材を入れます。(量や場所等は実際に音出しして決めるとよいでしょう。)
裏板は5.5mmのベニヤを使用しました。
取付はミニビスで止めますが下穴をあけてから止めると割れ防止になります。

電池残量LEDの取付
後付けになりましたが電池残量を調べるためのLEDを取り付けました。電圧の変化で4段階に表示することができます。
本体に4mmの穴をあけてタクトスイッチをグルーガンで固定しました。
完成品

アンプモジュール取付部の窓から電源の赤いLED、ブルートゥース接続の青いLEDが確認できます。

TEMUから購入した4Ω10Wのユニットは
デュアルマグネット使用で音質に期待したのですが以前作ったダイソーの300円スピーカーのユニットの方が音質は良いと思いました。
作ってみての感想
ブルートゥース対応のデジタルアンプモジュールXH-A158は定評のPAM8403チップ搭載なので音質もよく、付属のコネクタにスピーカーと電源をつなぐだけで手軽にブルートゥース対応のアンプを作ることができます。ボリュームもついているので電源を入れた時のアナウンスも低くすることができてよいと思いました。
今回は現場に持ち歩いて音楽が聴けるように18650リチウムイオン電池を1本を電源としました。XH-A158は入力電圧5Vになっていますが3.7Vでも十分鳴ってくれます。リチウムイオン電池充電モジュールはTP4056を搭載したモジュールを使用しました。電流はMAXで1Aとなっていて残量に応じて電流は下がっていきます。今回使用した1600mAのリチウムイオン電池(公表値は3200mAだが・・・)の充電には4時間ほど必要なようです。それでもXH-A158の消費電力が少ないため、通常の音量であれば1日5時間ほど聞いても5日ほど持ちそうです。
スピーカーユニットはTEMUから購入した4Ω10Wのユニットです。デュアルマグネットで中高音はきれいに鳴ります。低音は少し控えめかな。2025年の3月に購入しました。2個で719円でした。
2インチのスピーカーは他にもたくさんあるので他のユニットも試してみます。
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